躁うつ病と和解しました。

躁うつ病(双極性障害)で15年以上苦しんでましたが、和解しました。

躁うつ和解に役立ったこと① フェリチン

調子よくなってからのことを思い出してみてる。

躁うつと和解できたのは、決して断薬がすべてではなくて、

並行してやったプラスになることがうまく融合して巡りだした、これに尽きる。

うまく巡りだしていい結果が出るから、気持ちもあがる。

強く役立ったと確信しているものを、思いだした時に書いていこう。

 

最近ちょっと注目されてる『フェリチン』。

通常の血液検査ではチェックされない項目。

フェリチンは体に蓄えている分の鉄分、体の鉄分の貯金分らしい。

 

一般的な健康診断などで、貧血かどうかの判断材料になるのはヘモグロビン値で、

ヘモグロビン値がいくら正常でも、貯金分のフェリチン値が低ければ貧血症状が出るそうだ。

ところがこのフェリチン値は通常チェックされない項目なので、

ヘモグロビン値は正常だけど、フェリチン値が低い『隠れ貧血』が多いらしい。

 

で、最近言われているのが、パニック障害うつ病に『隠れ貧血』が影響しているかもということ。

なんかTVでも特集をやってたみたい。

 

実はわたし、このフェリチン値アップのために、

断薬を始めた時期の少し後から、ずっと鉄分サプリを飲んでいる。

フェリチン値がどうのこうのを知っていたわけではなくて、

本当に偶然、フェリチンに注目する皮膚科医に出会えたおかげ。

 

断薬前後は本当に身も心もボロボロで、

とにかく顔に吹き出物がたくさん出て、それが一向に治らなかった。

顔が痛いというほどだったから、重い腰を上げて近くの皮膚科へ。

そこの皮膚科の先生が、私の顔を見てひとこと。

「吹き出物がどうこうという問題じゃない気がする。貧血じゃないかな?」

 

元々、いつも健康診断やら血液検査では貧血の結果が出ていて、普段からひどい立ちくらみもあった。

でも、自分はこういう体質なんだとあまり気にもしていなかったのだけれど。

 

それでその皮膚科で血液検査をして、その際に測ったフェリチン値が『3』。

なくなる寸前だよーと、先生は大笑いしていた。

そして、

「今まで辛かったでしょう?よく普通に起きて生活してたと思うよ。鉄分がなくなる寸前だから動くの辛いの当然なのに、動けないなんて甘えだ!とか頑張ってたんでしょう?不思議とそういう人多いんだよなー、フェリチン値が異常に少ない人って。」

と。

ここにも救世主が出てきたかもと、なんとなく思った。

 

それからその先生は、続けて教えてくれた。

自分は専門外だから双極性障害のことは全くわからないが、

フェリチン値を計測し出してから統計をとっている結果。

フェリチン値がすごく低い患者さんのうち、7割が心療内科や精神科に通っている・通ったことがあるという人だった。

これで双極性障害がよくなるとは言えないけど、

フェリチン値を上げれば絶対今より体は楽になる。

脳からセロトニンも出て、心の状態もよくなることは断言できる。

 

わたしとしては、

『皮膚科医だから、精神科のことはさっぱりわかんないけど』とはっきり言ったうえで、

今より体は楽になるし、心の状態もよくなる。

だって、鉄分の在庫がずっとなかったんだから当然!と飄々と言う先生の言葉が、すとんと自分の中に落ちた。

先生の患者さんの中では躁うつ病はわたしがはじめてらしかったけど、

単極うつ病の人はフェリチン値をあげたことによって、その後の心療内科通院がいらなくなった人も結構いるそう。

 

「騙されたと思って鉄分とってみて、必ずいい方向にいく。楽しみにしてて!」

と、先生は満面の笑みだった。

そのあと10分以上先生が嬉しそうに話すのを聞いてた笑

要約すると、

なんでもかんでも薬出しとけばいいなんて言うのは古い。

薬が力を発揮するのは急性期だけ、そのあとは人間本来の回復力に目を向けて、それを強化することを考えなくちゃいけない。

いずれ日本にも、食事とサプリで薬を減らすとかなくすとか、病気を防ごうという時代が来る、というか来てるから!

 

神田橋先生に続き、このテンションの高い皮膚科医との出会い。

わたしはどう考えてもしなくてもいい苦い思いもたくさんしてはいるんだけど、

たまーに、すごくいい影響を与えてくれる人との偶然の出会いがある。

ちなみにこの皮膚科医も、東洋医学に重きを置いて漢方を取り扱ってる。

たぶん躁うつの治療にはこういう医師の方が相性がいい。

教科書だけの知識ではなくて、たくさん診てきた経験からアドバイスしてくれる人。

患者がよくなった、楽になったというのを見るのが楽しいという人。

人間だからね。

 

まあ期待を大きくもっていると、特に何も変わらなかった時のショックが大きい。

そんな事は今までの躁うつで、嫌というほど味わってきた。

だから、躁うつ云々ではなく、初めの目的『吹き出物を早くなくしたい』という目的で鉄分を摂ることにした。

以前から鉄剤は胃が受け付けないので、鉄サプリメント(ヘム鉄)で。

 

ところがこのフェリチン値を上げるという単純なことが、わたしには簡単にはいかなかった。

皮膚科専属栄養士の指導の下、鉄サプリを3か月とり続けたんだけど、

一向にフェリチン値が上がらなかった。

飲み始めて3か月後の血液検査の結果、フェリチン値は『3』で変化なし。

冗談かと思った。

栄養士さんも「どうしたものか・・・」と悩んでて、なんだか申し訳なかった。

 

「過去にひとりだけいたんですけど・・・その方もとてもフェリチン値が低くて、ヘム鉄で数字があがらなかったんです。それで困って、試しに吸収が悪い方の非ヘム鉄を飲んでもらったらフェリチン値があがったんです。試しにやってみますか?」

 

悔しいからやるやるー!と同じようにやったら、1ヶ月で簡単に上がった笑

栄養士さんもなんでかよくわからないらしいけど、体質・相性なんでしょうというところ。

おそらくこういうのも、教科書には書いていないことなのかなと思う。

そういう例もあるっつーんだからあるんだよ!っていう少し雑な感じ。

 

フェリチン値はもっともっと上げていいという数字だけど、

まず立ちくらみがなくなったのはびっくりした。

あと体が手足があったかい、熱いもの食べると汗が出るようになった。

傷ができてもすぐ治るようになった。

もちろん酷い状態だった吹き出物もひいた。

しょっちゅう風邪ひいてたのに、あまりひかなくなった。

あと、たまに飲む頭痛薬とかすごく効くようになった。

 

すごく単純なんだけど、体があったかくて回復が早いと、脳が安心する。

減薬・断薬は地獄の苦しみだったけど、乗り越えられたのは同時に貧血を改善していったからかなと思う。

躁うつ云々に関係なく貧血じゃないと体が楽になるので、

鉄サプリはおすすめしたいなー。

すぐに取り組めて安全なものは、効果が出るまでに必ず時間がかかるので。